2005年10月05日

『Wi-Fiコネクション』を受けてオンラインゲームを考える

DSのWi-Fiコネクションの概要が,任天堂から発表になったようなので
そのポイントと問題点について考えてみようと思います。

まず,大まかな特徴としては
1.カンタン
・設定(ID,パスワード)はハード側が自動設定(ユーザーは特に何もしなくてよい)
・パソコンのUSBに接続して使う無線アダプタを経由してブロードバンド接続
・市販の無線ルータも使用可能(ワンタッチ設定ボタンを使用して設定)
・各店舗に設置する任天堂独自の無線スポットや,『FREE SPOT』でも接続可能

2.あんしん
・友達しかオンラインに存在しないコミュニティを形成可能
・一度,対面で通信した相手を「友達」として認識
・会ったことがなくてもお互いのコードを入力して「友達」として認識
・「友達」をどう扱うかはソフト側の自由
 『おいでよ どうぶつの森』では,「友達」同士のみのやりとりを基本とする
・「友達」「国内のユーザー」「世界のユーザー」「全てのユーザー」と区分け可能
・『マリオカートDS』では対戦のみでテキストメッセージのやりとりはない

3.無料
・任天堂ソフトは,接続に関して全て無料で提供
・他社のソフトに関して,課金することは制限されない

だいたいこのような感じです。

一つのハードの無線コネクションのために
オンラインゲームの障壁をできる限り取り払った環境を準備するという大々的なアクションを
起こすことができたのは,やはり任天堂ならではだと思います。
通常は,こういう環境は市場の様々な事業者を通じて自然発生的に形成するものですが
(例えば,オンラインゲームは,ソフトを開発しても接続サービスまでを担わない)
任天堂は,持ち前の大きな資本で,環境を作り上げてユーザーを取り込む
流行りの言葉で言えば,「大きな政府」型のやり方だと言えます。
「政府」は,民間ではフリーライダー問題などが発生してできないインフラ整備などを
先陣をきって行うことで,市場を活性化させることに貢献します。

ですので,私は,今回の任天堂のこうしたアクションに関しては概ね評価できると考えます。
実際,無線というのは有線よりも使い勝手がいいことを実感をもって知っていますし
携帯ゲームに向いていて,据え置きハードに展開する際にもそのまま利用できるという意味で
大変有益な方式である一方,それが実際に普及していないというのもまた事実だと思います。
そのために,障壁を無くしてユーザー数を増やすことにまず着眼点を置いたのは重要であり,
また他社(特にサードパーティ)にはなかなかできることではないと考えます。

ただ,問題が何もないとはもちろん言い切れず(当たり前ですが)
特に,気になった「友達」について考えたいと思います。

「友達」は文字通り本当の友達と接続するので,例えば,学校などで接している通りに
友達と接することが可能という意味で,比較的安全です。
しかし,もし友達以外ともコネクションを行うソフトに彼らが出会ったときに
「友達」との接し方と混同してしまわないかと,かえって危惧されます。
現在もオンラインゲーム上で,小学生や中学生が既にプレイする時代になっていますが
実際にオンライン上は,老若男女,見知らぬ人が飛び交う「社会」であり
そのことに気づいてか気づかずか,友達と同じような接し方で,悪ふざけをする者も存在します。

つまり,友達を「友達」と区切ってしまうことは,「友達」でない環境に飛び出したときの
対応を間違わないか,という意味で,余計に不安要素が高まるのです。
そのために,オンライン上が荒れてしまうかもしれないのです。

幸い,マリオカートでは,テキストメッセージがないようなので
この対策は,非常に安全であります。
一方,メッセージを発せない,もしくは発さない相手と通信することに面白みを感じるか
という根本の問題も存在します。

やはり,WWW上に飛び出すということは,当然のようにリスクを負わなければ
享受できない世界であるように感じられます。
そういう自己責任は付きまとってしかるべきであり,大人も子供もない一方で
現実の大人と子供のギャップは埋めることが不可能でもあるという乖離が発生しているのです。
とはいえ,少子化が進み,対戦の面白さを知らずしてゲームをする子供や
対戦がしたくても,周りにゲームをする人がいない大人という不幸を解消するためには
オンラインのコネクションの利益は大きいはずなので,ぜひとも成功を願いたいと思います。

#ニンテンドーDS Conference! 2005.秋 (任天堂ホームページ)
posted by Madick at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・産業論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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