2006年10月18日

本当のアドバンテージは,奇妙な「おもちゃ」であること

脳トレ及びDSのヒットがあり,
ゲーム人口の拡大,と任天堂が謳う昨今,
岩田社長の分析であるように,今までゲームをしない層に訴えかけることができた
というのは然りであろうと思う。

私はDSのヒットに,
もうひとつ重要な側面があると考えている。

それは,「ゲーム機ならでは」の要素を持っているかどうか,ではないだろうか。

私たちは今やゲーム機を一つのAV機器として捉えているが
もとはといえば「おもちゃ」であったはずであることは忘れてはならない。

あの「ウルトラハンド」や「光線銃」を生み出した任天堂が発売した
新しい「おもちゃ」が「ファミコン」だった。
「ファミコン」では,他にはない使いやすいコントローラと他にはないゲームソフトがあった。
それをプレイするには「ファミコン」という機器を買うことが不可欠だったのだ。

それがなんたらの法則とやらが示すように,デジタル化の波の速さは並大抵ではなく
コンテンツはもはやカセットやカートリッジのように現物ではなく,データ化,すなわちその姿を無くした。
この流れはなんのことはない,ハードウェアがソフトウェアへと移行する,万物の潮流だが
この流れに気付かなかったのがゲーム業界であった。

カートリッジにこだわるメーカーもあれば,光ディスクを利用するメーカーもあったが
そんなことは根本的な問題とは関係なかった。
既にゲームコンテンツは,パソコン上ではエミュレータを通じて遊ぶことができ,
携帯電話上では,ゲームコンテンツの配信さえ行われている。

ゲームコンテンツはゲーム機のアドバンテージではないのだ。
「面白いコンテンツがあれば,消費者は仕方なくゲームハードを買う」
これはある意味正しいが,現代において,ゲームコンテンツをゲームハード上で独占すること
それ自体が困難であり,むしろ独占することを嫌うユーザーはゲームを離れていったのだ。
「仕方なくゲームハードを買う」より「ゲームハードをあきらめ,代替品でまかなう」のが現代人である。

そんな中,本当に見つめなおしてみなければいけないのは,ゲーム機のアドバンテージであった。
ユーザーはゲーム機でしか遊べないゲームコンテンツでなければ,パソコンや携帯電話上で遊ぶのだ。
タッチペン+2画面+マイクという非常に奇妙な組み合わせの機器を備えた
PCでもない,タブレットでも携帯電話でもない,何とも表現のしようがない,新しい「おもちゃ」。
その「おもちゃ」でしか遊べないゲームが,確かに,ある。
だってこんな奇妙な機器は他にはないから。
それがゲーム機のアドバンテージだったのだ。

だがこれは換言すれば,ゲームコンテンツをいかにゲームハード上で独占するか,の別の方法だったと言える。
今までは,任天堂株式会社が携帯電話ではゲームを出さないようにする。
ソニー株式会社がパソコンでは遊べないほどの高性能なハードを出す。
そんなことで独占しようとしたって,スクウェアエニックスは携帯電話でドラクエやFFを出すし
パソコンの性能が追いつくのは時間の問題だし,むしろ性能なんかどうでもいいぐらいに高くなった。

本当に独占したいなら,物理的に,「ゲーム機」としてグループ分けされるような機器を作るんじゃなく
これはなんだ?といわれるような「おもちゃ」を作って,
それでしか,どうしても,どうしても,そのおもちゃでしか遊べない
から仕方なく,ハードを買う,ようにすれば良かったのだ。
最初から,ゲーム機とはそういうものであり,ここ最近はゲーム機のアドバンテージが極端に減少していただけだ。

センサーバーや加速度センサーのついたパソコンなんかはなかなかない。
だからそれのある「おもちゃ」を買わなければ,ゲームコンテンツを遊べない
そんな状況を作り出し,ゲーム機は復権することができるというわけである。
posted by Madick at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・産業論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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